[映画感想] クリード チャンプを継ぐ男

映画の感想

不定期映画感想シリーズ。

今回はロッキーのスピンオフ作

クリード チャンプを継ぐ男

の視聴感想です。

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カレー
カレー

以下映画のネタバレを含みます。

期待したほど面白くはなかった

クリード チャンプを継ぐ男

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いきなり否定的な見出しでファンの方には申し訳ないですが、
あまり面白くなかったというのが私の率直な感想です。

というか映画自体は決してダメな映画ではなく
私の勝手な期待が大きすぎたのがいけなかったのだろうと思います😥
実際に世間一般ではこの映画は大絶賛ですしね。

以下は、何が今ひとつと感じたのかを踏まえつつ感想を書いてみたいと思います。

以下は私の率直な感想ですが、映画に対して否定的な内容が多いと思います。
この映画のファンの方は不快な思いをするかもしれませんので
読まない方が良いかもしれませんm(_ _)m

ロッキーの姿がまた見られたというのが最大にして唯一の良いところ

クリード チャンプを継ぐ男で良いと思ったのは

  • ロッキーの姿がまた見られた

これに尽きると思います。そしてこれ以外に無いというのが私の感想です。

ロッキーが元気に(映画内で徐々に状況は変わってくるけど)動いてる姿をまた見られたのはシリーズ全作を見てる立場としてはやはり感無量と言うかなんだかジーンと来ました。

しかし、良いと思ったのはここぐらい。
このクリード チャンプを継ぐ男は映画内でロッキーとアドニスを対比させるスタイルで描いていますがその描き方がいまいちだと感じました。

アドニス・クリードに魅力がない

私が一番この映画が面白くなかったのはここです。

主人公のアドニス・クリードがなんか今ひとつ好きになれない
というか魅力を感じられませんでした。

もちろんマイケル・B・ジョーダンさんはいい演技をしてたと思います。
体の仕上がりなども、ものすごく努力されたのだろうと伺えます。

でも映画内で「アドニス・クリード」という人物が
なんか今ひとつ輝いて見えないんですよねえ😥
これがどうしてなのかは、よくわかりませんが
ちょっと感じたのは

  • ロッキーに比べてトレーニングがぬるい
  • なんだかんだ言って背景には恵まれたお坊ちゃん要素がチラ見えして、ロッキーに比べてハングリーさが見えて来づらい
  • 女にうつつを抜かす暇があったらトレーニングしろ

って感じでしょうか。

●ロッキーに比べてトレーニングがぬるい

トレーニングシーンではロッキー1や3を踏襲したものも描かれてましたが、
全体的に見てスマートというかぬるく見えるんですよね。

冷凍肉打ちをやれとか4の丸太担ぎをやれとかそういうことではありません。
しかし、冷凍肉や丸太に匹敵するような

恵まれない環境でも一生懸命トレーニングを頑張るぞい!( ‘ω’ )و

的な要素が薄かったと思います。

またアドニスが暴走族とロードワークするシーンは
ロッキー1の生卵一気飲み→商店街ランニング(りんごキャッチ)→フィラデルフィア美術館のシーンのオマージュだと思いますが、
クリードのあのシーンの最後に入る、暴走族が囲んでカメラぐるぐるの所。

あそこは無駄に尺が長すぎて見てて「これ早よ終わらんかな(´・ω・`)」と感じてしまいました。
異様に長回しで、いつまで外で叫んでんの?って醒めた目になってしまうんですよね。

あの場面は制作側からすると象徴的なシーンで作中でもなかなか気合の入った場面だったかと思うんですが
視聴者に途中で飽きさせるほど冗長なのはなんとかならんかったんでしょうか(´・_・`)

またアドニスがアポロの私生児という立場で悩み・荒れるというのは分かるのですが、
その面について映画の冒頭の施設での大暴れ→ロスのジムでのスパーリングでひと悶着→フィラデルフィアのジムでのスパーリング中にキレる→クラブでの乱闘事件および収監シーンに至るまで結局いつまで経っても成長してないんですよね。

この辺の精神面の成長が描かれなかったのも残念です。

一応、最後にチャンプといい勝負をしたことで精神的に成長はしたと思うんですが
結局生来のキレ癖を直せた描写はありませんでした。

恵まれたお坊ちゃん要素がチラ見え

アドニスは養母であるメアリー・アンから「それでもボクシングをするなら、もう連絡してこないで」と半ば勘当のような感じでボクシングに挑みます。

しかし、視聴者側としては冒頭でメアリー・アンの豪邸を目にしている&じゃあボクシングをやめればまたあの豪邸に帰れるんでしょ?となるわけで、
しかもアドニスは頭もよくて一流の会社(と思われる)に勤めていた
っていうのを見てしまっていますから、

結局ボクシングがダメでもその後の人生はどうとでもなる

という恵まれた坊っちゃん要素がチラ見えしてしまってるんですよねー( -_-)
ここがロッキーのような、もうどうすることもできなくて自分にはボクシングしか無い!というのとは明確に違います。

だいたいロッキーの場合は明日をも知れぬ生活で
生きるか死ぬかをかけて戦ってたわけですが、
片やアドニスは自分の証明という
「いわゆる自分探し」的な若干ふわっとした事がテーマです。
この辺からして、なんというかロッキー・バルボアとは背景の重みが違うと感じました。

もちろんアポロの隠し子という苦しい立場を乗り越えたいと言うのはテーマとして分かりますが、
こういっちゃあれですが映画視聴者の大半は隠し子では無いわけでして😥、
この辺りの大変さというか置かれた立場ならではの苦労などは感情移入しにくいわけえです。

なのでよほど脚本なり演出がうまく料理しないと
テーマがぼやけてしまうと思うんですが、
残念ながら私にはぼやけたままに見えました( -_-)

女にうつつを抜かす暇があったらトレーニングしろ

これについては、
「いやいや、あんた、ロッキーだってエイドリアンとイチャついてたやん」
という意見はごもっとも。

でもですね、ロッキーはそれなりにイチャつきはあったけどそれでもトレーニングをもりもり積んでました。
そしてエイドリアンとロッキーの関係はもっとこう、精神的でピュアなものでした。

片やクリードはフィラデルフィアに引っ越してきて
さあボクシングを頑張る!とモチベーションMAXの頃から
すかさずアパートの階下の女に手を出してるわけですよね。
あれ見て、この人どこまで本気でボクシングに賭けてるん?( ´Д`)
って思いました。

あと、あの女もどうなん?って思いました。

ロッキーが癌だとアドニスから聞かされても「お大事にって伝えといて」で終わります。まあアドニスの大暴れで怒ってたってのはあるんだろうけど。
あれを見てちょっとそれは無いんじゃないの?ってドン引きしました。
ロッキーなんて「美人だし歌手としても成功するよ」って褒めてたのに…( ゚д゚)

で、そんな冷たい女の態度を知ってか知らずか分かりませんが、
ロッキーはクリードの試合の前にわざわざ遠くイギリスまで呼び寄せてあげます。
ロッキーってなんていい人なんだろう…と思いました。あの女はアレですが。

その他演出が中途半端

クリード チャンプを継ぐ男では何か所か
ボクサーのステータス表の様なものが表示されます。
TVドラマシャーロックシリーズ以降よく見られるようになった、

映像がストップ(orスローモーション)して人間の目にすることができないステータスが表示される

という手法。
これを取り入れてるんですが、

  • 表示時間が異様に短い
  • 数回しか表示されない

というなんだか中途半端な演出になっています。
やるならやるでもっと思い切ってやればいいのに
結局なんでこの手法を取り入れたのかもよく分かりませんでした。

また他の演出としては
最後の最後でロッキーがアドニスに「試合が終わったらお願いがある」と告げます。そして「内容は終わったら話す」とも。

これを聞いて私など

これはロッキー3で対グラバー戦の前にロッキーがアポロにかけた言葉…。

まさかロッキー対アドニスで非公式戦のゴングが鳴ってエンディングなのでは⁉(;゚∀゚)=3ムッハー

と大興奮したのですが、そんな事はなく終わってしまいました(´・ω・`)
結局ただフィラデルフィア美術館に行きたかっただけ。

ていうか映画のエンディング自体もなんか随分あっさりというか
さらっと終わってしまったんですよね(´・_・`)


という感じで、結局の所アドニスという人物が
あまり魅力的に描かれてる印象を受けなかったのが面白くなかった理由だと思います。

それから演出もなんだか今一つな印象を受けました。

結局この映画はロッキー7

正直この映画を見た・見ようと思ったファンの多くって

ロッキーの姿がまた見たい

んだと思うんですよね。これに尽きるかと。

結局の所、私はこの映画はロッキー7なのだろうと思います。

以上のように私にとってアドニス・クリードという人物が
あまり魅力的に見えない事が輪をかけてはいますが、
私はロッキーがまた動いてる姿をみただけでただ純粋に嬉しかったですし、

結局映画全体を通してもアドニスではなくてロッキーの物語

として見ていました。ロッキーの方に感情移入するんですよね。

しかしながら、ロッキーはもうボクシングはできません。
スターローン自体の年齢的な事もあるでしょうし、制作としてはロッキーの続編ではなくてスピンオフであくまでもアドニスが主人公という立場上、
ロッキーにボクシングさせるわけにも行かないでしょう。

ですがその肝心の主人公があまり訴えるものがなく、存在感もロッキーの方が遥かに大きいという中途半端な状況です。

なので見てる私としてロッキー7として認識してるけど、
ロッキー自体は一切ボクシングをしないという、

  • ロッキーの姿がまた見られて嬉しい!(・∀・)
  • でもボクシングをしないロッキーはちょっと物足りない…(´・ω・`)

という2つの相反する感情になるのも、見ててちょっと残念で不完全燃焼な点でした。

スタローン抜きで続編が作れますか?

クリード チャンプを継ぐ男

はあくまでも主人公はアポロの私生児であるアドニス・クリードです。

なお私は本当にクリードがアポロの隠し子なのか?と疑ってます…。
作中ではメアリー・アンがそう言ってるだけで、特に証拠書類やDNA鑑定なども出てきませんし、昨今の不謹慎YouTuberみたいに「私がアポロの息子です」とか出てくる展開も今後のシリーズでありえそう。

そして世間一般ではこの映画は大ヒット&大絶賛。
アドニス役のマイケル・B・ジョーダンの演技も非常に評価が高い。
なので私の感想など異端なのかもしれません。

ですが、

  • じゃあロッキー(スタローン)抜きでこの映画の続編が作れるのか?
  • ロッキーなしでクリード単独でこの先もシリーズを続けていけるのか?

と考えると、正直難しいんじゃないかと思います😥

この映画がヒットしたのは
あくまでもスタローン(ロッキー)が登場したからだと思います。

あまり考えたくはないけれど
そう遠くない、いつの日かスタローンも旅立っていきます…。

その時までに「クリード」単独でロッキーを超えるようなボクシング映画になれるか?というと現状を続けてもかなり厳しいというのが私の率直な感想です。

もう少しクリード自身の魅力を引き出すような
ストーリーなり演出なりを用意してあげてほしいなあと思います。

総評:ロッキー登場が評価のすべて

まとめます。

  • ロッキーが生きてる、動いてる!

というドラえもんの「おばあちゃんの思い出」で生きてるおばあちゃんの姿を目の当たりにしたときの、のび太風の感想が全てでした。

クリード チャンプを継ぐ男
全体的には独断と偏見で70/100点としたいと思います。
点数は全てスタローンの得点です。

色々と批判的なことを書きました。ファンの方には申し訳ないです😥
ですが私もこの「クリード」シリーズが
スタローン抜きでも続いていき、いつかは「ロッキー」を超えるような内容の長寿シリーズになることを願ってます。

とは言え、しかしながら現状ではそれは難しい。
じゃあどうすればいいのか、私なりに考えると

アドニスもアフロにしろ

という提案をして締めたいと思います。
それでは👊


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クリード/チャンプを継ぐ男 (吹替版)

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